
『和菓子がある暮らし』
こんにちは。和菓子ライフプロデューサー、コミュニケーションデザイナーの梅の実です。京王線の沿線情報誌「ivory(あいぼりー)」にて和菓子のコラムとイラストを担当しています。
「ivory」は、京王線各駅で無料で配布されています。(154号の配布期間は2026年3月16日~)
「和菓子がある暮らし」では、京王沿線の和菓子屋さんを自ら取材し、限られたスペースのなかに和菓子の魅力をぎゅっと詰め込み、心をこめて紹介しています。
「いま」を味わう、かんたんなゆめ
154号では、渋谷「かんたんなゆめ」さんの「嬉々 kiki」をご紹介しています。
渋谷の喧騒を抜けて、奥渋エリアへ。急な坂を上った先に、「かんたんなゆめ」さんはお店を構えています。
一度聞いたら忘れられない店名は、中国の故事「邯鄲の夢」から。
その解釈はさまざまですが、店主の寿里さんが大切にしているのは、「人生は儚い。だからこそ、いまそのときを大切にしたい」という想い。
その”想い”が、お店や和菓子に、静かに響き合い、宿っているように感じます。
2階には「壺中日月長」の掛け軸。
「壺の中では、ゆっくりと時間が流れている」という意味を持つ言葉で、こちらにも、そのときを大切にする思いが込められているようです。
「かんたんなゆめ」さんがつくる和菓子は、お茶の時間だけでなく、ふだん「和菓子がないシーン」にも寄り添う味わいを心がけていて、定番のお菓子「嬉々(きき)」には、うれしさがいくつも重なっていくように、という思いが込められています。
その意匠を何に見立てるかは、見る人それぞれの心にゆだねられていて、花にも、風車にも、その日の気分にも見える。正解はひとつじゃなくていい。そんな余白もまた、和菓子らしいなと思うのです。
チーズクリームとレモンを使った、まるでチーズケーキのような味わいが、珈琲にも、紅茶にも、ワインにも・・・。合わせるものやシーンを選ばず、誰もが楽しめるように、味わいはまあるく、やさしく。
そして、この時期のお菓子のひとつが、「春風」という、ライチとグレープフルーツを使った吉野羹。美しく、そしてさわやかな季節の味わいです。
さらに、ご紹介したいのは、定番の「ねこもなか」。
近くの代々木公園をお散歩しながら、風を感じて、ふと都会の空を見上げながら、片手でぱくっと楽しむのも似合いそうです。
和菓子を味わう、ほんのひとときが、「いま」を感じる時間になりますように。
毎日が和菓子日和🍡








