『お祝いごとの贈り物に』
こんにちは。「毎日が和菓子日和」和菓子ライフナビゲーター、デザイナーの梅の実です。
今日は、先日味わった、長崎県長崎市の「松翁軒(しょうおうけん」さんの「桃カステラ」と「桃カステラ」の由来(エピソード)などをご紹介します。
いつの頃だったでしょう。長崎の「桃カステラ」の存在を知った日から、いつか食べてみたいと思っていました。
「桃カステラ」の由来
「桃カステラ」は、長崎で「上巳の節句(ひなまつり)」をはじめとしたお祝いごとの時に用いられる縁起菓子です。
パンドーロ(カステラの原型)が、戦国時代にポルトガルから長崎に伝わり、時を経て、長崎県の郷土菓子になった「カステラ」。
その「カステラ」を、古くから長崎と交流のあった中国で、不老長寿の果実とされてきた「桃」の形にしたものが「桃カステラ」です。
複数の文化が織り交ざった、長崎ならではの御菓子です。
「桃カステラ」とは
桃の形のカステラに、フォンダン(すり蜜)をかけ、乾いてから色をつけ、葉や茎などを練切餡(お店によってはマジパン)でつくった御菓子です。
想像以上の大きさに、驚くかたもいるかもしれません。でも、カステラがふわふわなので、意外とぺろっと食べられます。(最近は、ひとまわり小さい種類も用意しているお店が多いです)
桃カステラを食べよう
長崎では「ひなまつり」だけでなく、結婚式の引き出物や長寿のお祝いなど、末永い幸せや長寿を願い、慶事(お祝いごと)全般で用いられる御菓子です。大切な方へのお祝いの贈り物に「桃カステラ」を選んでみませんか。
さて、今回味わった「松翁軒」さんの「桃カステラ」のご紹介です。とっても美味しかったですよ。
松翁軒さんの「桃カステラ」のご紹介
味わいひとことメモ
- かわいらしい桃の形
- 職人さんがひとつひとつ、丁寧に桃のかたちを仕上げているそうです
- 目の前に現れたときに「わぁ!!!」という華やぐ気持ちになりました
- ふんわりと、あまい香り
- フォンダン(すり蜜)がしっとり
- フォンダンは、甘いけれど、とがった甘さではなく、すぅ、っと口溶ける
- カステラがふわふわ!フォンダンと一緒に食べたときのバランスを考え、通常のカステラよりも甘さを控えていると、お店のかたに伺いました
- 葉っぱや茎は練切餡でできています
- 大きさは幅約10センチ、高さ約3センチ
とても美味しくいただきました。
そして、華やかな箱や包装紙もとてもステキです。
販売期間
1月15日~3月末(予定より早く完売する場合があります)
松翁軒さんのこと
- 創業:1681年(天和元年)
- おすすめ銘菓:「松翁軒カステラ」「五三焼カステラ」「チョコラーテ」など
- お店の場所(本店):長崎県長崎市魚の町3-19(長崎市公会堂の横、レンガ作りの外観の建物が本店です)
- 最寄駅:市民会館
- 松翁軒ホームページ
桃カステラをつくっている主なお店
それぞれのお店ごとにこだわりの味わいです。桃の形にも個性があって愉しいです(お店により販売期間が異なります)※順不同
- 松翁軒
- 1681年(天和元年)創業
- 白水堂
- 1887年(明治20年)創業
- 岩永梅寿軒
- 1830年(天保元年)創業
- 岩永梅寿軒ホームページ
- 福砂屋
- 1624年(寛永元年)創業
- 福砂屋ホームページ
- 梅月堂
- 1894年(明治27年)創業
- 梅月堂ホームページ
- 文明堂総本店
- 1900年(明治33年)創業
- 文明堂総本店ホームページ
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