愛媛・松山 西岡菓子舗さん | 唐衣(季節の上生菓子)
こんにちは。 和菓子ライフナビゲーターの梅の実です。
先日、愛媛県松山市を訪問し、美味しい和菓子をたくさん味わってまいりました。今回は、西岡菓子舗さんの季節の上生菓子「唐衣(からころも)」を 紹介します。
つるの子に感動!上生菓子にも感動!
松山滞在中、西岡菓子舗さんには2度訪問しました。
初日は 西岡菓子舗さんの看板和菓子の「つるの子」 を目的に。2度目は 上生菓子を目的に。
「つるの子」については、「百聞は一見にしかず」の感動体験をしたわけですが、こちらについては、また後日改めて紹介をしたいと思います。その「つるの子」と一緒に買い求めたひとつの上生菓子が、うっとりするほど美しかったのです。
翌日、訪問前に電話をすると「つるの子」は完売していたのですが、「西岡菓子舗さんの上生菓子を、もっと知りたい」そんな気持ちで再訪。
お店に伺うと、これまたステキな顔ぶれの上生菓子ショーケースに並んでいました。(毎日違う上生菓子をこしらえていらっしゃるのでしょうか?!)
唐衣 着つつ慣れにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅ぞしぞ思う
「伊勢物語」の 在原業平 が詠んだ句ですが、旅先で立ち寄った場所に咲いていた杜若・かきつばたを眺めながら、愛する女性を想い、読んだ句だそうです。
この句頭から一文字ずつとると「か・き・つ・ば ・た」になる・・・・
和菓子の「唐衣」はこの句をイメージして、 唐の着物「唐衣」や 花の「杜若・かきつばた」を模してつくられるようになったのですね。
ちいさな和菓子の背景に物語がある…数百年経った今、 その情景を想い、感じながら、和菓子をいただくいただくのもステキです。
西岡菓子舗さん の 季節の上生菓子「唐衣」
外観は?
- 唐衣、杜若・かきつばた
- 半透明の薄紫、葉は明るい緑
- 中の餡(薄黄色)が少しだけ見える
- 外郎製(葉は羊羹製)
中身は?
- 味噌餡!
味わいひとことメモ
- 半透明の薄紫がうつくしい。「唐衣」ってとても美しいのだろうな‥・と想像できる姿。やわらかな外皮。中身は白あんかな…と思っていたら、みそあん!というのも嬉しい驚き。見た目、味、ともに艶やかで丁寧につくられている和菓子。
季節は?
- 春
- 実際に購入した時期:2019年5月 愛媛・松山 西岡菓子舗さん店頭にて
とても美味しくいただきました。
西岡菓子舗 さんの季節の和菓子を五感で味わってみませんか
和菓子司 西岡菓子舗(にしおかかしほ)さん
昭和39年(1964年)に創業。
落ち着いた雰囲気の店内では「つるの子」「上生菓子」「焼き菓子」などを販売している。看板商品の「つるの子」は、もともと松山の老舗和菓子店でつくられていた。しかし、事情により途絶えてしまい、「またあのお菓子を食べたい…」というファンの多いその味を復活すべく、その老舗和菓子店で修業をされた経験のある、西岡菓子舗さんの創業者さんが苦労の末に復活させたのだそう。やさしい女将さん、若女将さんとの会話も楽しいお店
西岡菓子舗さんの和菓子を買える場所:季節の生菓子は、西岡菓子舗さんの店頭でのみ販売。「つるの子」など一部の和菓子は、電話などで注文後、発送もしてくださるとのこと
最寄駅:路面電車 南町下車、徒歩数分
西岡菓子舗さんのホームページはこちら:
http://wwwc.pikara.ne.jp/tsurunoko/
季節の和菓子のこと
多くの和菓子屋さんでは、季節ごとに和菓子を用意しています。毎年意匠(お菓子のデザイン)や構成(素材や味)を工夫し、新しい和菓子をこしらえていることも多くあります。まさに一期一会。
特に、季節の情景などを表現した上生菓子には、写真や絵では伝えることのできない趣があります。
ぜひ、実際に和菓子屋さんに足を運び、その時々の「季節の和菓子」の味わいと季節の移ろいを楽しみましょう。
毎日が和菓子日和!