『春の訪れを感じる』
こんにちは。「毎日が和菓子日和」和菓子ライフナビゲーター、デザイナーの梅の実です。
春が近づくと、「うぐいす餅」が和菓子屋さんの店頭に並び始めます。「うぐいす餅」を見かけると、うぐいすの初音を耳にした時のように、気持ちがぱっと明るくなるような気がしませんか。
今回は「季節を愉しむ和菓子・早春編『うぐいす餅』」をコラムとイラストでご紹介します。
うぐいす餅とは
やわらかく練った求肥(ぎゅうひ)であんこを包み、上からきなこをかけ、うぐいすを模した形状に仕上げた御菓子です。
うぐいすは「春告鳥」と呼ばれることから「春告餅」「初音餅」などと名付けているお店もあります。(初音餅のほうが多いかな)
うぐいす餅の由来
「うぐいす餅(鶯餅)」の名付け親は、豊臣秀吉だと言われています。
天正13年(1585年)におこなわれた茶会で味わった御菓子を秀吉がたいそう気に入り、「鶯餅(あえて漢字で)」と名付けたそうです。
その由来となった御菓子は、奈良県大和郡山市の老舗和菓子店「本家 菊屋」さんの「御城之口餅(おしろのくちもち)」です。
うぐいす餅を食べよう
ぷるぷるとやわらかくて美味しい「うぐいす餅」。
よく見ると、つくるお店それぞれに、色や形、あじわいの個性があります。
ちょこんと座っている様子、鳴いている様子、飛び立とうとしている様子・・・目鼻がついていないからこそ、自らの見立てで愉しめます。見れば見るほど愛らしく感じます。
市販のうぐいす粉ではなく、青大豆を炒って粉にした特製のきなこを使っているお店もあります。その香ばしさは格別です。
うぐいす餅のご紹介
今までに味わった「うぐいす餅」のうち、いくつかをご紹介します。
*販売有無や内容が、年により異なる場合があります。何卒ご了承ください
京都「御菓子司 かぎ甚」さん
京都の老舗の和菓子屋さん。つぶあん。とてもよい香りがする。
東京「HIGASHIYA」さん
新しい時代の和菓子屋さん。つぶあん。ほどよい甘さで素材の美味しさを。
東京・聖蹟桜ケ丘「和菓子処 花鳥風月」さん
かわいらしい、街の和菓子屋さん。こしあん。瑞々しいあんこがたまらない。
東京・根津「秋田屋」さん
街の和菓子屋さん。こしあん。手頃な価格帯がうれしい。日々のおやつに潤い。
京都「京菓子司 末富」さん
京都の老舗和菓子屋さん。つぶあん。小豆の美味しさが力強い。
暦の七十二候:黄鶯睍睆(うぐいすなく) 新暦の2月9日から13日頃
うぐいすの鳴声を聞きながら、「うぐいす餅」を味わえたらすてきですね。春の訪れを感じる「うぐいす餅」。和菓子屋さんに春を見つけにいきませんか。
毎日が和菓子日和!