『関東のくず餅(久寿餅)川崎大師編』
こんにちは。「毎日が和菓子日和」和菓子ライフナビゲーター、デザイナーの梅の実です。
今日は、神奈川県川崎市の川崎大師名物「くず餅(久寿餅)」をイラストコラムです。
関東のくず餅とは
関東の「くず餅(久寿餅)」と「葛餅」は全く別物である。
これは、広く知られる話ですが、東京や関東ご出身や長く住んでいるかたにとっての「くず餅」は、乳白色の三角形の「くず餅(久寿餅)」ではないでしょうか。
わたしも「くず餅」といえば、まずこの形を思い出します。子どものころは、これが「葛」でできたものだと思い込んでいたので、事実を知ったときには、材料も製法も違うなんて…!と驚きました。関東のくず餅になじみがない地域のかたから見ると、別の驚きがあるのでしょうね。
ここで、おさらいですが「葛餅」は葛の根からとった貴重なでんぷんを水と合わせて練りあげたものです。透明でとろとろ、ぷるぷるしているのが特長です。
一方、関東の「くず餅(久寿餅)」は、小麦粉のでんぷんを長期間(1年以上)発酵させて、そのでんぷんと水を攪拌したものを蒸しあげたものです。乳白色をしていて、やや弾力がありつつ、歯切れのよい食感が特長です。
東京の「船橋屋」さんや池上本門寺や川崎大師の門前など、多くの地域やお店でつくられています。その由来は、小麦の産地であったこと、偶然出来た説、僧侶が名前を付けた説など、地域やお店により諸説ありますが、多くが門前の名物ですので、精進料理のひとつだったのではないかと考えています。
このように、「葛餅」と「くず餅(久寿餅)」は異なるものですが、どちらも無添加、無着色で丁寧につくっているお店が多く、それぞれの美味しさを愉しめます。
関東の「くず餅(久寿餅)」を食べよう
今回は、以前味わった「川崎大師山門前 住吉」さんの「くず餅(久寿餅)」と、川崎大師門前で「くず餅(久寿餅)」を味わえるお店をご紹介します(ほかの地域の「くず餅(久寿餅)」はまた今度ご紹介します!)
川崎大師山門前 住吉さんの「久寿餅」のご紹介
味わいひとことメモ
- 発酵食品であるため、ほんの少しつんとした香りがする
- 乳白色
- もちもちしているとようにな見た目だが、弾力がありつつ、歯切れのよい食感
- かすかに甘みがある
- たっぷりきなこと、黒蜜をかけて食べる(きなこに、むせないように注意してくださいね)
- 一部、星形に切り抜いてある(イートインの場合)
川崎大師周辺で「くず餅(久寿餅)」を食べられるお店
川崎大師(平間寺)名物でもある「くず餅(久寿餅)」は、門前の10件前後のお店で製造販売しています(お店によりイートインのみの場合もあります)
同じように見えて、お店により色や香り、食感が少しずつ異なりますよ。
(順不同)
- 川崎大師山門前 住吉(すみよし)
- 大正6年(1917年)
- お店の場所:神奈川県川崎市川崎区大師町4-47
- 住吉ホームページ
- お隣にコーヒーや久寿餅のスイーツなどを愉しめる「餅陣住吉」があります
- 住吉屋総本店
- 創業:明治20年(1887年)
- お店の場所:神奈川県川崎市川崎区大師本町8-16
- ホームページ:なし
- 歯ごたえがよく、さっぱりと食べられた。1人分を購入。どこでも食べられるようにカットされていた。山門前住吉さんの久寿餅とは別の日に味わったので、はっきりとした違いはわからなかった(山門前住吉さんよりも、やや歯切れがよく、色が薄灰色??)
- 松月庵
- 創業:1884年(明治17年)
- お店の場所:神奈川県川崎市川崎区大師町4-37
- 松月庵情報ページ
- お蕎麦屋さん
- 蕎麦膳はやま
- 創業:1913年(大正2年)
- お店の場所:神奈川県川崎市川崎区大師町5-4
- 蕎麦膳はやま情報ページ
- お蕎麦屋さん
など
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