2021-06-27

歳時記の和菓子 | 夏越の祓 | 水無月

『夏越の祓と水無月』

こんにちは。「毎日が和菓子日和」和菓子ライフナビゲーター、デザイナーの梅の実です。

夏越の祓とは

6月30日は、1年の前半の穢れ(けがれ)を祓い、新たな気持ちで1年の後半を迎える「夏越の祓」。各地の神社で「茅の輪くぐり」がおこなわれ、昔から、京都をはじめとする地域では「水無月」が食べられていました。

茅の輪くぐり(大田区 春日神社)

水無月とは

水無月」の形は氷を模しています。主に外郎(ういろ)の上に、魔除けの意味もある赤い小豆を散らしてあるものが一般的です。

昔、氷室で貯蔵していた氷を食べると夏バテをしないといわれていましたが、本物の氷を食べることができない庶民が、食べるようになったのが「水無月」の御菓子です。

「水無月」には、ちょっと大人の事情もあり、別の名前で販売している地域やお店もありますよ。

最近の「水無月」事情

子どもの頃は、背景を知らずに近所の神社で「茅の輪くぐり」を楽しんでいました。また、関東出身のわたしは大人になるまで「水無月」の存在を知りませんでした。(初めて食べたのは、京都の出町ふたばさんの水無月でした)

ありがたいことに、近年では、多くの地域の和菓子屋さんで「水無月」がつくられるようになりました。

氷の形(三角形)は維持しつつ、葛製のもの、黒糖や抹茶の味、小豆以外の豆、お酒やフルーツを取り入れるなど、バリエーションも増えてきました。いろいろな和菓子屋さんの「水無月」を買うのも楽しみのひとつですね。

和菓子好きさんにはお馴染みの「水無月」ですが、まだまだ、一般的ではないようです。先日、あまり和菓子を召しあがらない方に「あのケーキみたいなのはなぁに?」と質問されました。たしかに、ヨーグルトケーキやタルトみたいにも見えますね。

水無月」ならではの美味しさが伝わり、いつか、こどもの日(端午の節句)の柏餅のように、日常に浸透していくといいなぁ・・・と思っています。

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イラストの水無月は、

以下で、おすすめの「水無月」をコラムとイラストでご紹介しています。どうぞ、ご覧ください。(手描きイラストゆえに、未公開のものが多数ありますが、少しずつ増やしていきますね)

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