『願いと亥の子餅』
こんにちは。「毎日が和菓子日和」和菓子ライフプロデューサー、デザイナーの梅の実です。
秋が深まってくると、楽しみな和菓子のひとつ「亥の子餅」。
並んでいるのを見るだけで、なんだかキュンキュンしてしまいます。
亥の子餅とは
「亥の子餅」は、 旧暦の10月(亥の月)、亥の日、亥の刻に味わうお餅。「玄猪餅」などとも呼ばれています。 主に無病息災や子孫繁栄を願って味わいます。
中国から伝わり、日本の宮中行事で食べられていた、穀物の入ったお餅がもとになっているそうです。 そのお餅は、平安時代に書かれた「源氏物語」にも載っているとか。
時代が下り、「亥の子祝」の行事で、秋の実りや収穫を感謝し、庶民も「亥の子餅」を食べるようになりました。
また、猪は「陰陽五行説」で水に分類されることから、火に強いと動物と言われています。そのことから、この日(亥の月、亥の日)に火にまつわる道具を準備する風習があります。茶道でも、この日に囲炉裏を準備する「炉開き」をし、「亥の子餅」を味わいます。
いろんな願いがこめられていますね。あなたは何を願って味わいますか?
亥の子餅の形や味
「亥の子餅」の形は、その名の通り、猪の子どもの形を模しています。
その表現は、白い餅生地に黒胡麻を練りこんだものや、餅に黄な粉やはったい粉、シナモンをまぶしたものなど、お店によって様々です。
また、地域によってもさまざまで、例えば和歌山県では、お餅にあんこをまぶします。
まだまだ知らない「亥の子餅」があるのでしょうね。和菓子の出会いはたのしいなぁ。
イラストの亥の子餅は、
- 上段左:京都府京都市 かぎ甚さんの「亥の子餅」
- 上段右:東京都多摩市 花鳥風月さんの「亥の子餅」
- 下段左:東京都世田谷区 まほろ堂蒼月さんの「亥の子餅」
- 下段右:愛知県名古屋市 亀広良さん「亥の子餅」
(手描きイラストゆえに、未公開のものが多数ありますが、少しずつ増やしていきますね)
毎日が和菓子日和!