『幸せを願う和菓子』
こんにちは。「毎日が和菓子日和」の和菓子ライフナビゲーター、デザイナーの梅の実です。
今日は、『歌会始と和菓子』について書きました。
歌会始とは
「歌会始(うたかいはじめ)」 は、毎年1月中旬に開催される宮中行事です。
人々が同じお題に対し、歌(短歌)を詠んで披露する「歌会」は、奈良時代からおこなわれていたそうで、「万葉集」もそのひとつだそうです。
年の初めにおこなわれる「歌会」が「歌会始」です。
明治時代の途中からは、皇族や側近の方々に加え、国民の代表者(歌の入選者)も参加できるようになりました。
歌会始にちなんだ和菓子
毎年「歌会始」がおわると、次の年のお題が発表され、作品の募集も開始されます。
例えば、2020年(令和2年)のお題は「光」 、2021年(令和3年)は「実」でした。
「歌会始」のお題に合わせてつくられた御菓子は「勅題菓」、「御題菓」、「お題菓子」などと呼ばれます。
和菓子屋さんが、趣向をこらして創作した、これらの御菓子は、お正月にもぴったりで、年末から1月中旬頃まで販売されます。
山形・乃し梅本舗 佐藤屋さん 新年勅題菓「みのり」
山形県山形市の老舗「乃し梅本舗 佐藤屋」さんも、毎年「勅題菓」を販売しています。
こちらのイラストは、令和3年の新年勅題菓「みのり」( 2021年1月11日頃まで の販売)
お題の「実」をテーマに、”なんだかもやもやした感じの年から一転、明るい新年への切り替えをイメージさせる菓子になったら・・・ “という想いをこめて、創作なさったそうです。
乳白色と紫が混ざり合った美しい御菓子で、「カルピス」の甘酸っぱさと「ゆず」の爽やかなお味。
もやもやした霧の向こうに、明るい未来が見えるような、前向きな気持ちになることができました。みんなの頑張りが「実」のなる年になりますように。
勅題菓を販売している主なお店
毎年、勅題菓(御題菓、お題菓子)を創作、販売している主なお店をいくつかご紹介します(年により変更のある場合があります)ぜひ、お近くのお店でも探してみてくださいね。
- とらやさん
- 両口屋是清さん(愛知)
- 乃し梅本舗 佐藤屋さん(山形)
- 塩野さん(東京)
- 豊島屋さん(神奈川)
- 三英堂さん(島根)
- 笹屋伊織さん(京都)
- 俵屋吉富さん(京都)
- 鈴懸さん(福岡)
(順不同)
勅題菓を愉しもう!
「歌会始」で詠まれる歌からは、天皇皇后両陛下をはじめ、皇族の方々の想いが垣間見えますが、御菓子には和菓子屋さんの想いがこめられています。
次のお正月には、 その年にしか味わえない「歌会始」の御菓子、「勅題菓(御題菓 、お題菓子)」を用意してみませんか? (12月のカレンダーにメモしておくのが、おすすめ^^)
(ご自身の想いを乗せた歌を詠んで「歌会始」に応募したら、さらに新年の愉しみが増えるかも?!)
2021年の「歌会始」は、1月15日に予定されていましたが、感染症拡大防止のため、延期になりました。お題の発表も延期です。(1月20日現在未定)
毎日が和菓子日和!
こちらもご覧ください
毎日が和菓子日和!